• みなさんにはオールタイムベストと言えるような好きな映画はありますか。僕にもあります。長らく僕の中での映画のオールタイムベストは「ショーシャンクの空に」でした。恐らくこのオールタイムベストが更新されることはないだろうと思っていました。しかし、そのオールタイムベストが更新される日がやってきました。それが「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(長い)通称エブエブです。僕はこの映画が大好きで、毎年1回は観ています。今回は何が僕のツボにはまったのかエブエブの魅力を語りたいと思います。

    愛の詰まった闇鍋

    エブエブの魅力は一言で言うと愛の詰まった闇鍋です。エブエブのジャンルを言うと「SF×カンフー×コメディ×ホームドラマ×ラブロマンス×移民ドラマ」です。掛け算がめちゃくちゃ多い。全部が混じりあってカオスな映画になっています。しかし、それでいてこの映画で語られるのは家族への愛というシンプルなテーマ。ハチャメチャなのに王道。それがこの映画の魅力です。

    闇鍋的なカオスの世界

    エブエブの基幹をなす設定は、今流行りのマルチバースの世界観です。世界は一つだけではなく、今選んだ世界とは別の世界線があり、世界は並行世界として分岐していく・・・。マルチバースで有名なマーベルシリーズや、最近では松たか子主演でヒットしたファーストキス1stkissなんかもマルチバースを扱っています。並行世界と言われても今ではたいして新味がありませんが、この映画はその量と飛躍の仕方が桁違い。人類の手がソーセージになった世界線なんていう、ぶっ飛んだ並行世界まであります。それらの世界が複雑に混じり合い、展開していく。そりゃカオスになるわな、って感じです。さきほど説明した通り、エブエブはあらゆるジャンルが混じり合いごった煮状態になっています。

    言ってしまえば闇鍋です。次、何が出てくるか分からない。人によったら何言ってるか分からないシュールな展開も多々あります。

    唯一無二の世界観

    エブエブに似た映画を僕は観たことがありません。ふつうどんな映画でもうっすら既視感のある展開があるものですが、この映画はほとんどない。いわゆる映画のセオリーを無視して描かかれていている感じがします。

    SFっぽいんだけど、別のマルチバースに跳ぶ方法がバカバカしいことをすることだったり、ちょっとふざけてるような世界観なんです。

    この映画の監督であるダニエル・クワンは映画学校に通っていたそうですが、学校に行ってからクワンの作品が面白くなくなったと感じた母が学校に行くのを辞めさせたそうです。今にすれば母の慧眼に驚かされますね。おそらく母はクワン監督の誰にも似てないオリジナルティーを信じたのでしょう。

    描かれるのは王道の家族愛

    それでいてこの映画が伝えるのはストレートな家族への愛。カオスなギャグパートから想像できないくらいにキレイに家族ドラマに着地します。最後、主人公が敵となった娘に使うのは拳ではなく、ハグ。最後は暴力ではなく、愛が世界を救う。おそらく数多くの映画が何万回も伝えたメッセージを衒いもなく、表現します。最初はバカバカしい世界観に笑っていたのに、いつのまにか涙腺が緩んでいるという、不思議な体験ができるのです。

    カオスなのに王道。唯一無二なのに普遍的。相反する2つの要素が奇跡的に混じり合っているのがエブエブの魅力なのです。このバカげた設定の脚本でアカデミー賞を席巻したのも頷けます。興味が湧いたら一度見てみて下さい。人を選ぶ作品ではありますが、ツボに嵌ればきっと感動体験ができると思います。

  • 続ける思考がベストセラーになったフリーランスのブックデザイナー、井上新八の「時間のデザイン」を読みました。最近やることが増えてきたのでタイムマネジメントを知りたいと思い手に取りました。今回は超多忙のブックデザイナーによる時間のデザインを紹介したいと思います。

    著者の井上新八は超多忙のフリーランスのブックデザイナーです。ふつうに考えるとやれることは少そうですが、やってることの数がすごい。彼が毎日やっていることを箇条書きしてみましょう。

    • 本のデザイン案を作る
    • 一日一冊本を読む
    • 映画を観る
    • 大作ゲームで遊ぶ
    • ジョギング4.2キロ
    • ダンスの練習
    • 掃除をする
    • ゲームをする
    • 写真を一枚現像する
    • ブログに映画の感想を書く
    • 本の原稿を書く

    まだまだあります。

    • 筋トレ
    • 領収書の整理
    • 下半身のストレッチ
    • 空の写真を撮る
    • 音楽を聴く
    • 手書きの日記を書く

    まだまだあるんですが紙面がもったいないのでやめておきましょう。ちょっと多すぎですね。本当に多忙なのかと疑ってしまいます。なぜこんなにも多くのことができるのか?

    その秘訣を著者は習慣化と言っています。どういうことなのか?紹介していきましょう。

    この本によると著者はもともと時間管理は得意な方ではなかったようです。来る日来る日も仕事に追われ、気づけばパンクし体を壊してしまいました。ふつうここで「仕事の量を減らそう」と考えると思いますが、著者の考えは違いました。仕事を減らさずやりたいことをやりたい、と思ったそうです。そんなこと可能なのか?可能だったようです。その秘訣は習慣化です。

    著者の井上新八氏はブックデザイナーとともに習慣家を名乗るほどの習慣化の達人。著者は習慣化によって「時間がない」という状況を解決しました。

    そのポイントをまとめてみましょう。

    1 毎日やる

    著者によると習慣化の最大のポイントは毎日やること。拍子抜けするほどシンプルですが、これが一番大事だそうです。毎日やることでやることが習慣化される。いちいち考えないことがコツだそうです。

    2 小さくやる

    毎日やると聞くと大変そうですが、毎日やる代わりにやる量を小さくする。これもポイントです。掃除も大掃除レベルだと負担ですが、毎日10分だけならさほど負担になりません。

    3 セットでやる

    小さいことだとついついやることを忘れがち。そのため「走る前にストレッチをする」、といった具合に「習慣+習慣」とセットにするとやることを忘れなくなる。これもポイントです。この習慣の連鎖を意識的に作るのが時間のデザインの神髄と言えます。

    4 いつやるか決める

    これも大事なポイント。起きたら~するといった具合にする時間を決めておくと、やることを忘れにくくなり習慣化できます。

    5 記録する

    できた習慣は記録しておきましょう。そうすると習慣を可視化でき、達成感を得られます。

    以上が習慣化のコツです。著者は習慣化を徹底し、習慣の連鎖を配置することによって、時間をデザインする方法を習得しました。それにより「時間がない」という状況を解決しました。

    僕もこの本を読んで、続いていなかった部屋の掃除や片付け、筋トレやストレッチが続くようになりました。片付けは朝食を終わった後に10分だけ、筋トレとストレッチはランニング前セットでやるようにしたところ、あれだけ続かなかったことが続くようになりました。積読本も夜に10分だけ読むようにしています。読破する日が楽しみです。

    タイムマネジメントの本というより、習慣化の本という印象を受けましたが読んでよかったです。この本を読んで続けられなかったことに挑戦してみてはいかがでしょうか。

  • マニアの間でカルト的な人気を誇る映画監督、デビットリンチの最後の長編作品、インランドエンパイアを観ました。「難解」「何言ってるか分からない」「わけが分からない」と有名な作品。3時間という長さもあり、なかなか観る勇気がありませんでした。しかし、1月9日に4K版で復活上映されることになり観に行くことにしました。

    結論から言うととわけが分からない。なのに引き込まれる不思議な映像体験でした。まるでデビットリンチの観た悪夢の中をさ迷っているような。今回はデビットリンチの作品はなぜ難解なのか、それでも引き込まれるのはなぜか考察したいと思います。

    まずは基本情報から。インランドエンパイアは2006年にデビットリンチの監督したポーランド・アメリカの合作映画です。デビットリンチは映画マニアの間でも難解な作品を量産する映像作家として有名ですが、その中でもこの映画は最難解です。なにが難解かと言うと、これはピカソやダリの絵を観ているときに感じる難解さに近い。感性がぶっとんでいて常人には理解しにくいのです。実際彼はフランシスベーコンの絵や多くのアート作品から影響を受けていると公言しています。そう、彼の映画は言わば動く絵画。ちょっとふつうの映画をイメージして観に行くと面食らってしまいます。

    インランドエンパイアのあらすじをWikipediaから抜粋してみましょう。

    ハリウッドに住む女優ニッキー・グレイス(ローラ・ダーン)は、『暗い明日の空の上で』という映画の主役に抜擢される。監督(ジェレミー・アイアンズ)、そしてもう一人の主役デヴォン・バーク(ジャスティン・スロウ)と共に製作に意気込むグレイス。

    しかしこの映画はいわくつきのポーランド民話を元にした映画『47』のリメイクで、呪われているらしいことが明らかになる。『47』は映画化の際に、主役の2人が謎の死を遂げ製作が中止に追い込まれていたのだ。それでも映画の撮影は進められたが、やがてグレイスの周りで不可解な事が起き出し、現実と映画の世界が交錯しはじめる。

    これ、実際に観たら分かるんですが、あらすじの5%も説明していません。というかこの映画のあらすじを説明することは不可能です。この映画を観た感覚に一番近いのは夢を観たときの感覚でしょうか。それも奇妙でやけに解像度の高い悪夢です。ストーリーを理解しようとすると最初の30分でついていけなくなります。僕も最初の30分でストーリーを追うことを諦めました。ストーリーを説明することは潔く諦めて、この映画の特徴と難解ポイントを解説したいと思います。

    難解ポイント1 完全に狂った時間軸

    この映画、というよりデビットリンチの作品の最大の特徴はふつうの映画のように時間が流れないことです。さっきまで映画を撮るシーンだったのに、急に説明もなく家でギャルたちが踊りだす。と思えば最後の最後で一番最初のシーンに戻る・・・。と言った具合に時間軸がバラバラなのです。なので鑑賞者は突拍子もない夢の中をさ迷っているような奇妙な感覚に襲われます。頭の中を整理する時間もないまま目まぐるしく不可思議な展開が現れる。それが3時間続く・・・。疲れます。正直、僕は映画の途中で何度も映画館を出る誘惑にかられました笑。なんでこんなことになったかと言えば、恐らくデビットリンチ監督の撮り方にあります。なんとこの映画、事前の脚本もなく、リンチ監督が何か思いついたらその場で撮るという即興劇なような撮り方だったのです。それで3時間の映画が撮れてしまうのがすごい。そして、僕はなにがなんだかよく分からないまま最後まで鑑賞してしっかり感動してしまいました。わけがわからないのに感動する、というある意味唯一無二の経験です。

    難解ポイント2 意識下の世界が描かれている

    この映画が難解な本質的な理由は、この映画が描いているは意識下の世界だからでしょう。我々がふだん馴染んでいる常識と理性の世界の下に眠っている無意識の世界。それを掘り起こすことをデビットリンチは追及しているのでしょう。

    デビット・リンチは自身の著作「大きな魚をつかまえよう」でこのように語っています。

    アイデアとは魚のようなものだ。

    小さな魚をつかまえるなら、浅瀬にいればいい。
    でも大きな魚をつかめるには、深く潜らなければならない。

    水底へ降りていくほど、魚はより力強く、より純粋になる。

    巨大であり、抽象的だ。そしてとても美しい

    この説明も難解かもしれませんが、リンチはアイデアを魚に例え、無意識の領域を水底に例えています。デビット・リンチの作品を観ていると、完成度の高い夢を見ている気分になります。それもそのはず。リンチの描く世界は理性と意識から離れた、狂気と無意識の世界なのです。

    難解ポイント3 考察すら拒む

    インランドエンパイアはその難解さから、考察好きを刺激するようです。ネットではインランドエンパイアを考察する考察サイトで賑わっています。あえて険しい山を登りたいという、アルピニスト精神を奮い立たせるのでしょう。なかには解読に9時間かけた人もいます。しかし、どの考察も正解にたどり着いたようには見えません。というより、そもそも正解は存在しないのです。インランドエンパイアはテーマや意図という、意識の世界を超越しています。だから、この映画の解読は夢の解読に等しい。いくら考察しても夢占いのような結果にしかならないのです。まさに考えるな、感じろの究極系。結局、わけがわからないけど感動した、という感想の方が正しいのかもしれません。

    僕たちの理性の世界をふるい落とし、悪夢の迷宮に誘ってくれるインランドエンパイア。ふつうの映画に飽きてきた方は勇気を持って挑戦してはいかがでしょうか。極上の悪夢があなたを待っています。

  • 先日、彼女とチームラボバイオヴォルテックス京都に行ってきました。作品の中にいるような不思議な体験ができてよかったです。今回はチームラボヴォルテックス京都の体験をルポしたいと思います。

    チームラボバイオヴォルテックス京都とは?

    チームラボとは今世界を席巻するアート集団です。チームラボにはアーティストだけでなく、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家などがいるのが特徴で、アート空間を立体的に表現しています。

    百聞は一見に如かず。実際に作品の写真を見てみましょう。

    こういうのがいっぱいあるわけですよ。プロジェクションマッピングなどのテクノロジーを駆使して幻想的な空間を演出しているわけです。

    チームラボは世界的な評価も高く、ドバイやシンガポールなど世界中に常設展があるんです。そんなチームラボがJR京都駅に満を持して、2025年10月7日にオープンさせたのがチームラボバイオヴォルテックス京都です。国内では最大級。平均滞在時間は2時間~4時間です。

    国内最大級というだけあって作品数は膨大。なんと50以上の作品が展示されているんですよ。なのでそのすべてを紹介すると紙面がいくらあっても足りません。なので今回は特に印象に残った作品に絞って紹介しようと思います。

    1 Infinite Crystal World

    この作品のコンセプトをチームラボの公式ページから引用したいと思います。

    点描は、点の集合で絵画表現を行ったものだが、これは、光の点の集合で立体物を創っている。光の彫刻群が、無限に広がる。渦潮の中に人が入っても、渦の存在は維持されるように、点群が、空間的、時間的に離れていても、点群に連続性や構造が形成された時、一つの存在として認識されるのではないか、そして、人がその存在の中に入っても、存在が維持されるのではないか。その時、その存在は、人と一体となる彫刻となりえる。人々がスマートフォンから自ら選んだ世界を投げ込むことで立体物が生まれ、それらの群によってこの作品空間は創られていく。空間に出現した世界は互いに影響を受け、また、投げ込んだ場所や人々の存在にも影響を受ける。この作品は人々によって刻々と創られていきながら、永遠に変化していく。

    何言ってるかわかりますか?僕はわかりませんでした笑 これも百聞は一見に如かず。写真を見てみましょう。

    美しいですね。まるで光の雨に囲まれているような幻想的な体験を経験できます。また写真では分かりませんが、この作品は時間が立つと色が変わります。

    刻一刻と変化していく世界。美しい。写真でもキレイですが実際に体感するとすごいんですよ。ぜひ実際に足を運んで味わっていただきたい。

    2 質量も形もない彫刻

    ここも公式ホームページから抜粋します。

    浮遊する巨大な彫刻は、泡の海から生まれ、質量の概念を超越し、地面に沈むこともなく、天井まで上がりきることもなく、空間の中ほどを漂う。この浮遊する彫刻の存在の輪郭は曖昧で、千切れて小さくなったり、くっついて大きくなったりする。人がこの彫刻に身体ごと入り込んでも存在は維持され、人々によって壊されても、自ら修復する。しかし、塊は、自ら修復できる範囲を超えて破壊された時、修復が追いつかず崩れていく。そして、人々が押したり、横にのけようとしても、この彫刻を動かすことができないし、人々が風をあおげば、彫刻は散り散りになってしまう。人間の物理的な行為では、この彫刻を動かすことすらできない。(以下略)

    何を言ってるのでしょうか笑こちらも見た方が早い。

    巨大な泡です。実際には泡は動いて回転します。泡に触れると泡まみれになるのでレインコートを販売しています。奥の方まで行きたい方はレインコートを買うなり、事前に用意したほうがいいかと思います。質量も形もない彫刻とは泡のことだったんですね。

    3 グラフティネイチャーと鼓動する大地

    ここも公式ページの説明文を抜粋。

    《グラフィティネイチャー》は、人々が描いた生き物たちの1つの生態系。

    紙に生き物の絵を描く。すると、描いた絵が目の前に現れ動き出す。

    生き物たちは、他の生き物を食べたり、他の生き物に食べられたりしながら、共に1つの生態系をつくっている。

    あなたが描いて生まれた生き物は、他の生き物を食べると増えていく。逆に、他の生き物に食べられるといなくなる。そして、しばらく他の生き物を食べられなくてもいなくなる。(以下略)

    これはまだ分かりますね。でもこれも写真を見た方が分かりやすいかな。

    床に投影された絵が動くんですが、なんとこの絵自分で描けるんですよ。このフィールドの奥にお絵描きペースがあって、自分の描いた絵が動くところを観れる。なかなか楽しい仕掛けですね。写真の通り床は凸凹していて、歩くのもちょっとした運動になります。ハイヒールや踵の高い靴を履いていると、市販の靴をレンタルする羽目になるので気をつけてください。

    お絵描きスペースです。壁の絵は自分が描いた絵です。

    以上、チームラボバイオヴォルテックス京都の体験ルポでした。今回紹介した作品はほんの一部です。まだまだ楽しい作品はいっぱいありますよ。平均滞在時間は2~4時間とけっこう長く、飲食店がないので来場の際は気をつけて下さい。運動の森エリアでは軽い運動をするので上着はロッカーに入れて、動きやすい靴を履いて行く方が良さそうです。来場してぜひ五感型アートを楽しんでくださいね。

    チームラボバイオヴォルテックス京都

    営業時間 9:00 – 21:00


    * 最終入館は、19:30
    * 開館時間が変更になる場合がございます。

    Sketch Factory
    11:00 – 21:00

    休業日 

    02.03(火)
    02.10(火)
    03.11(水)


    * 休館日が変更になる場合がございます。

    住所 京都市南区東九条東岩本町21-5

    アクセス 「京都駅」 八条東口 から徒歩約7分

  • 本屋の仕事に興味を持つ人は多いです。小説やドラマの舞台にたびたび取り上げられますし、舞台裏を描いたノンフィクションの漫画も多いです。ただ、そんな書店の仕入れ担当者が取り上げられることは皆無でしょう。存在すら知らない人も多いのではないでしょうか。

    今回はそんな書店の仕入れ担当者がどんな仕事をするのか、聞かれてもいないのに答えてみたいと思います。

    仕入れと聞くとバイヤーみたいなイメージを持つかもしれませんが、仕入れ担当者が本の市場に行って本を買い付けるわけではありません。仕入れ作業は書店の後方支援を担う仕事です。仕入れ担当者の仕事は大きく分けて2つあります。本の入荷作業と返品作業です。いわば本の出入りをチェックし、運ぶのが仕入れ担当者の仕事と言えるでしょう。

    ざっと仕入れ担当者の一日を書いてみます。

    • 07:30~10:00  本の入荷作業(メイン)
    • 10:00~11:00  本の入荷作業(直仕入れ)
    • 11:00~12:00  雑誌の返品作業
    • 13:00~15:00  書籍の返品作業
    • 15:00~16:15  ごみ捨て等雑務

    作業は日によって前後しますし、こんな判で押したような一日を送れるのは稀ですが、だいたいのスケジュールを書くと上記のようになります。

    ざっと説明すると本の入荷作業は文字通り、本の入荷による運搬、検品、分類して担当者ごとに渡す、等の作業です。朝イチで大量の本が入荷してきます。日販やトーハンという取次会社から入荷してくる本で、物量は中型店舗でカゴ車4台分に相当します。さすがにこれだけの本をいちいち検品することは不可能なので、箱の数だけチェックして仕分けします。本にはコミック、自然科学、社会等、およそ10項目くらいの分類があるの入荷した本を各自、専用の台車に分けて置いていきます。この仕入れ作業、実は書店の売り場で行っています。つまり開店にまで仕入れ作業を終わらせないとまずいので、トラックの到着が遅いときなどはみんなピリピリしています。

    メインの入荷作業が無事終わると、無事開店。売り場担当者が売り場に出ていくのを横目に見ながら直商品の仕入れ業務を行います。直商品というのは、日販やトーハンなどの取次業者を通さず直接出版社から送られてくる商品のことで、これが意外と多いです。この直商品は一つずつ検品作業をしていきます。直商品には検品だけしたらいい商品と、ハンディで登録しなければいけない商品があります。ミスをすると店のデータが狂うので一番神経を使う作業です。

    それが終わると返品作業が待っています。返品作業には雑誌の返品と書籍の返品の2種類があります。雑誌の返品は雑誌を段ボールに梱包し、数を段ボールに記入します。書籍はハンディによる登録が必要です。

    それが終わるとごみ捨てなどの雑務を行います。他にも細々とした作業はありますし、日によって順番が前後するので一概には言えませんが、だいたいのスケジュールは上記の通り。仕入れ担当者は売り場担当者が本を売り場に品出しする、前後の作業を行う後方支援の仕事と言えます。僕がしんがり書店員と自称するのはそういう意味です。

    書店の仕入れ担当者にはいろいろな苦労があります。次はそこを説明しましょう。

    1 書店の仕事は朝がピーク

    書店の仕入れ担当者の朝は早いです。僕の場合は7時30分には出勤し、商品の仕分け作業を行っています。というのも遅くとも10時前には作業を終わらせ、店を開店させないといけないからで、そうなると必然的に出勤時間が早くなります。前述したように、商品の仕分け作業は売り場で行います。開店前に売り場にカゴ車や台車があるという大惨事はなんとしても避けなければいけません。だからトラックの搬入が遅れるときはピリピリします。実質、仕事のピークは午前中です。朝が一番忙しいです。

    2 力仕事である。

    書店の仕事はイメージと違い、肉体労働の側面が強いです。本の数は膨大なので1つ1つの箱や、カゴ車は重いです。それを運ばないといけないので力仕事といえます。書店員でヘルニアにかかる人は多いといいます。また倉庫の環境は劣悪です。夏は灼熱、冬は極寒。その環境に耐えるだけの体の強さも求められます。書店員は体力仕事なのです。

    3 ミスが無くてなんぼ

    書店の仕入れ担当者の仕事は減点法で評価されます。ミスが無く、つつがなく一日を送ってなんぼ。大量に直商品が入ってきて、膨大な検品があるときは絶望します。ADHDである僕が一番苦労したのはここかもしれません。最初はたびたびミスをしていましたが、ノートにミスを記録し対策を考えるようにしてからミスは減りました。今ではイレギュラーな案件がなければほとんどミスをしません。

    4 意外と人と関わる

    店舗の規模によりますが、書店の仕入れ担当者は1人で作業する場合が多いです。売り場に出るわけではありませんし、売り場担当者に比べると人と接する機会は少ないでしょう。しかし、裏方と言えどもそこはチームでやる仕事。それなりの対人折衝力は求められます。特に気を付けなければいけないのは報連相。店長や売り場担当者の指示を正確に理解し行動しなければいけません。また、こちらから入荷した商品の連絡をしないといけない場合もあります。意外とこれが難しい。ADHDであり、ASDである僕はこれにも苦労しました。ASDは口頭の指示を理解するのが苦手なのです。いろいろ試しましたが、とにかく理解するまで質問しまくるという原始的な方法で解決しました。職場が僕の特性に理解のある人が多かったので助かりました。

    以上、ざっくりと書店員の仕入れ担当者の仕事について、聞かれてもいないのに解説してみました。苦労も多いですがやりがいもある仕事です。やっぱり間接的に本と関われるのがいいですね。なにかのきっかけでこの仕事に携わる方は参考にしてみて下さい。

  • 回転率。それは薄利多売で成り立っているカフェにとっては大事な指標です。できるだけお客さんには早めに捌けてもらい、多くの客から注文を取り、利益を上げたい。これがカフェ側の本音でしょう。そんなカフェにとっては長時間滞在者は頭を悩ます存在です。店側は水をくんだり、周りをぐるぐる回ったりして、客側にサインを送る。マナーの分かる客なら、そこが切り上げ時と悟り、店を退出します。

    今回紹介するカフェは居心地が良すぎて、店の回転率を下げまくってしまう、魅惑を持ったカフェです。このカフェに行っても、その魔力に負けて半日居座るような迷惑客にはならないで欲しいと思います。

    1 六曜社

    市営バス京都河原町三条から2分。そこにひっそりと佇むカフェがあります。そこが六曜社です。一階は満席だったので今回は地下店に行きました。階段を降りるとそこは別世界。豪華客船を思わせるシックでゴージャスな空間が待っています。

    この異世界なような空間で頂くコーヒーは絶品。今回は六曜社名物のドーナツと合わせていただきました。あまりにも居心地がいいので回転率を下げることは必至。お客の出入りの激しい人気店なのでくれぐれも迷惑客にはならないで下さい。

    • 住所:京都府京都市中京区河原町三条下ル大黒町40
    • アクセス:三条京阪駅より徒歩約5分
    • 営業時間:08:30 – 22:30 L.O. 22:00
    • 定休日:水

    2 茂庵

    京大のすぐ隣にある標高100mのこじんまりとした山、吉田山。その山頂には実はカフェがあります。

    茶室茂庵。小さな山小屋を改装したカフェです。山の中にひっそりと佇むカフェは、まさに究極の隠れ家。ちょっとしたハイキングをした後に寛げる憩いの場です。

    中に入ると木の天井と床に囲まれる和の空間が。カウンター席の窓からは京都市の街が一望できます。窓から覗く山の風景とともに食べるスイーツは格別。その居心地の良さに店の回転率は下がる一方。僕も彼女と雑談しながら何時間も居座り続けてしまいました。

    惜しむらくはその居心地のよさのせいか、けっこう人の入りが多いことでしょうか。魅力のあるカフェの宿命でもあります。茂庵は予約もサイトから予約も可能なので不安なら予約をおススメします。またレンタルスぺース一日貸席のサービスもあり、その場合は店の回転率を下げることなど気にせずどっしり居座ることができます。値段は高いですが。

    • 住所:京都府京都市左京区吉田神楽岡町8 吉田山山頂
    • アクセス:「浄土寺バス停」または「銀閣寺道バス停」 下車、徒歩15分
    • 営業時間:12:00~17:00
    • 定休日:月・火

    3 agnes.B CAFE 祇󠄀園店

    京都の八坂神社の手前にある、花見小路の通りの裏路地にひっそりと佇むカフェがあります。そこがagnes.B CAFE祇󠄀園店です。

    隠れ家のような立地のせいか、祇󠄀園の裏路地という敷居の高いイメージのせいか、お客が行列を作って待ってるということがあまりないです。

    そこは居心地を測る上で重要なポイントです。しかも、祇󠄀園の一等地にあるのに値段はそこまで高くない。

    中に入るとそこには和モダンな空間が待っています。

    カフェメニューも充実しています。広島・瀬戸田の人気コーヒーロースターである「Overview Coffee」のコーヒーや、アルザスのレストランにて修行を積み、現在は京都・神宮丸太町の名店「cenci(チェンチ)」でスーシェフを務める渥美彰人氏による料理や、京都・八幡のベーカリーカフェ「Camphora(カンフォーラ)」を主宰するパティシエ丸橋理人氏によるオリジナルのデザートが楽しめます。

    あまりの居心地の良さに気づけば3時間以上居座っていました。このカフェのヘビーユーザーになりそうです。

    • 住所:京都府京都市東山区祇園町南側570番地128
    • アクセス:京阪本線祇園四条駅 徒歩5分
    • 営業時間 10:00~18:00 ※モーニング:10:00~12:00 (LO. 11:30)
    • 定休日: 不定休

    以上、店の回転率を下げまくってしまう居心地のいい京都のカフェを厳選してお伝えしました。みなさんもお越しのさいは長居しまくって店の回転率を下げずにほどほどに楽しんで下さいね。

  • 僕には誰にも相手にはされない自慢が一つある。それはどんな映画であっても途中退席したことがないことだ。たとえどんなにひどい映画であっても、劇中の登場人物にツッコミを入れながら終わりまで観る。たとえどんなに怖い映画であっても、歯を食いしばりながら最後まで映画と対峙する。たとえどんなに眠気を誘う映画であっても、睡魔と戦いながらエンドロールまで見届ける。一本の映画には莫大な金と人員と情熱が注ぎ込まれている。だから僕は映画館の照明が点くまで途中退席をしたことがなかった。

    サブスタンスを観るまでは。

    始めに言っておきたいが、サブスタンスはひどい映画ではない。スタイリッシュな映像、ルッキズムを切り取ったテーマ性、女優たちの迫真の演技、カンヌ映画祭の脚本賞も取った上質なホラー映画である。

    だから途中退席、というよりも逃亡と言った方が正しい。僕はサブスタンスから逃げたのだ。

    サブスタンスが怖くて、映画の終わりまで観られなかった、と言っていいがそれだけでは僕の感情を説明できない。単純に恐怖を感じて最後までみられなかったわけではない。僕はオタクに近いくらいのホラー狂である。サブスタンスよりグロテスクで怖い映画はいくらでもある。悪魔のいけにえも、ハンニバルも、リングも呪怨も怖かったけど最後まで観れた。人体が醜くなっていくボディーホラーの要素ももちろんあるが、僕が感じた恐怖はそういう物理的恐怖ではなかった。

    最後まで正視できなかった、というのが僕の中で一番しっくりくる言葉だ。サブスタンスはルッキズムという社会の残酷なルールを抉りだした映画だ。内容をざっくりと説明しよう。

    主人公は50歳の誕生日を迎えた女優、エリザベス。ハリウッド・オブ・フェームに名前が刻まれるほどの女優だったが、それも過去の話。今はエアロビクス番組の司会を細々とやっていたが、それも年齢を理由に降板させられる。エリザベスは精神的ショックで交通事故を起こす。あまりにも自分が哀れで病院で泣き出すエリザベス。そこに若い医者がサブスタンスという美容医療を紹介する。サブスタンスは、薬物療法であり、薬を注射すると体の細胞が脱皮し若い体と入れ替わる。サブスタンスにはルールがあり、古い体と若い体は一週間ごとに入れ替わらなけばならない。始めはサブスタンスを拒否したエリザベスだったが、仕事が減り、周囲から見向きされなくなっていく現実に、エリザベスはサブスタンスを始めることに・・・

    と説明するとサブスタンスは世にも奇妙な物語のようだ。話の流れから、エリザベスはルールを破り崩壊していくんだろうな、という展開もある程度予測できる。出だしのときは最後まで観れそうだったし、クライマックスで逃げ出すことは想像できなかった。

    ここからはネタバレです

    ただ、その崩壊の過程が想像を遥かに上回る壊れっぷりだったのだ。

    若い体であるスーは、自らの美しさを武器にエアロビスク番組の司会に抜擢され人気を博していく。押しも押される人気に有頂天になり、夜はイケメンと遊び放題。その反動で元の体であるエリザベスに戻ったときはひどく惨めな気分になる。エリザベスの若さの養分を注射で吸う方法を発見したスーは7日間ルールを破り、スーである時間を引き延ばす。養分を吸われた方のエリザベスはどんどん醜い姿になっていく。それでも若いスーである快感を忘れられないスーはどんどんエリザベスの体から養分を吸い取っていく。エリザベスは自分から若さを奪い取っていくスーを憎むようになり、エリザベスとスーの乖離は広がっていく。

    そして決定的な出来事が。スーは日本で言うところの紅白歌合戦のような国民的人気番組の司会に抜擢され幸せの絶頂に。一方、エリザベスに戻った時の姿は見るに堪えないものになっていた。エリザベスは「もうここで終わりにしよう」と思い立ち、スーの体を殺そうとするが、憧れの番組の司会という栄光を捨てることができず、殺すのを躊躇する。その間に目覚めたスーがエリザベスに激怒し、逆にエリザベスを殺してしまう。

    養分を失ったスーの体は少しずつ崩壊していく。しかし、憧れの番組の日は刻一刻と近づいていく。焦ったスーは禁じられていた2回目の注射を自分に打つ。そうするとスーは見るもおぞましいクリーチャー、エリザベスーに変貌する。その姿は正直、とても言語化できない。興味のある方はアマゾンプライムで確認して欲しい。恐ろしい化け物になったエリザベスーはなぜかその姿で国民的人気番組のあるTV局に向かってしまう。

    そこで僕は耐えられなくなって映画館を途中退席してしまった。化け物の姿になったエリザベスーが人気番組に出ようとする行動が理解できないし、この後の大惨事を想像して正視できなかったのだ。

    忌まわしきトラウマを僕に植え付けたサブスタンスと再会したのは1年後、アマゾンプライムだった。トラウマを克服する方法はトラウマと向き合うことだ、という言葉を思い出し、僕は勇気を出してクライマックスのシーンを見ることにした。

    クライマックスのシーンは想像の斜め上を行くものだった。クリーチャーとしてエリザベスのお面をつけてテレビ局の裏口に入るエリザベスー。ここでADはなぜかエリザベスーをそのまま通してしまう。違和感感じなかったのか?

    エリザベスのお面をつけたまま国民的人気番組の壇上に立つエリザベススー。そこでかかる2001年宇宙の旅のBGM。エリザベスのお面を外し、怪物の顔を披露するエリザベスー。ぽかんとした顔でエリザベスーを見る観客。そこであのダダーン、という有名な音。僕は思わず笑ってしまった。

    ようやく事態を理解した観客たちは悲鳴をあげる。そこからは阿鼻叫喚。逃げ惑う女性、「怪物だ!」と叫びエリザベスーを鉄パイプで殴る男性。血を流したエリザベスーは観客に血の雨を浴びせる。

    エリザベスーはテレビ局を抜け出しす。血まみれになったエリザベスーは崩壊し、エリザベスの顔だけの生命体になった。最後エリザベスに戻ったエリザベスーはハリウッド・オブ・フェームに戻りそこで死に絶える。

    僕は笑っていいのか、怖がった方がいいのか、泣いた方がいいのかよく分からない摩訶不思議な感情になった。なんか思ってたのと違う。思ったより怖くなくて良かったけど。僕はサブスタンスから様々な教訓を受け取った。映画は最後まで観よう。

  • 先日、彼女の実家に行った。気さくな方ばかりで和やかな会合になった。

    そして彼女の部屋に行って卒業アルバムを見してもらった。彼女の卒業アルバムを見してもらいながら、僕は秘かに前例のない緊張を覚えていた。卒業アルバムを見せてもらったということは、いずれ卒業アルバムを彼女に開示する必要があるということだ。

    卒業アルバム。

    充実した青春を送っていた人にとってはこれは懐かしき記憶のミュージアムだ。それは愛でる対象であり、頁を捲ることになんら抵抗がない。しかし、充実と縁の無い青春時代を過ごした人間にとってはそれは開けてはいけないパンドラの箱だ。開けたら最後、封印された忌まわしき黒歴史の数々が魑魅魍魎の如く僕を襲い掛かってくるに違いない。

    僕は彼女と2人で卒業アルバムを捲る準備として、1人で卒業アルバムを捲ることにした。トラウマを避けるのではなく少しずつトラウマと対峙する。暴露療法である。

    僕は卒業アルバムに向き合いながら一つの可能性に懸けた。脳の編集能力は偉大だ。僕は学生時代の記憶がほとんどない。脳は自分に都合の悪い情報は削除するのだ。僕の走馬灯には学生時代の思い出がすっぽり抜け落ちているに違いない。つまり、僕が卒業アルバムを見ても参照する記憶がないので、なんら精神的損傷を感じないかもしれないのだ。

    僕は卒業アルバムを開いた。一発目から僕の写真が出てきた。僕は餅つきをしていた。着ているTシャツには車に曳かれたタイヤ痕のデザイン。そして大きな太文字のローマ字。CRASH。

    僕の脳はその瞬間、封印してきた記憶を蘇らせた。書きなぐったポエム、初恋ララバイをおかんに見られた中学1年生、エロ漫画を立ち読みしているところをダンス部の女子に見られた高校2年生、自分はスパイのエージェントだという妄想に取りつかれ謎の暗号を自作した中学2年生、ペアが見つからずたまたま来ていたひきこもりのA君とペアを組んだ発表会、女子との会話が「のりかして」だけだった高校3年生、次々と脳裏に黒歴史がフラッシュバックしてくる。

    僕はゆっくりとアルバムを閉じた。今の僕には刺激が強すぎたようだ。アルバムは紛失したことにしようか。財務省のように僕の映っているところだけ黒字で潰してもいいかもしれない。

    世の中には向き合わなくていい過去がある。そのことを痛感した一日だった。

  • 遅くなりました。あけましておめでとうございます。

    新年早々突然ですが、今年はフルモデルチェンジしようと思います!

    なにをフルモデルチェンジするのか?ブログネタです。

    具体的に言うと以下の通りです。

    タイトル

    しんがり書店員のこの本どうですか?→しんがり書店員の毎日が背水の陣

    ブログの内容

    本の紹介→本、映画、旅などのオールジャンル

    文体

    ですます調→模索中

    なぜ、新年早々フルモデルチェンジするのか?それはズバリ追い込まれてるからです!!

    日に日に減っていくアクセス数、なくなっていくブログネタ、すり減っていくモチベーション・・・なんとなくこのまま続けていっても自然消滅する臭いが、自分でもプンプンしているわけですよ。

    新年早々、迷いました。過去の歴史上、フルモデルチェンジして失敗した例は数多あります。新型車種にして販売が低迷する車、急に毒舌キャラに豹変して迷走するアイドル、フォームを刷新して成績が急降下したプロゴルファー、企画が二転三転し打ち切りになったテレビ番組、イメチェンで坊主にして引かれた大学生、フルモデルチェンジすると言い残し連絡が取れなくなった友人・・・・フルモデルチェンジには死屍累々の山がある。

    しかし、そのリスクを冒してもフルモデルチェンジする必要があると判断しました。そもそも失うものがほとんどない。たとえアクセス数がゼロになっても変わらなければいけない。背水の陣です。

    次週からフルモデルチェンジしようと思います。しんがり書店員の迷走をご覧あれ。

  • 皆さん人気ラーメン店の行列に並んでいるときどうしてますか?SNS観てる?動画観てる?

    それはそれでいいのですがたまには読書なんていかがでしょうか?今回は人気ラーメン店の待ち時間に合う小説をセレクトしてみました。

    こってり豚骨ラーメンなら

    ヤギより上猿より下 平山夢明

    こってり系のラーメンなら、やっぱりこってりした平山夢明の小説なんていかがでしょう?こってり系ホラーを量産するカルト作家の夢明さんにしては比較的爽やかな読後感なので胃もたれしません。短編集なので行列の待ち時間にはぴったり。こってりしたホラー?を読んで、こってりしたラーメンを食べましょう。

    さっぱり系の塩ラーメンなら

    ボッコちゃん 星新一

    爽やかなライトな塩ラーメンには、ちょっぴりシュールでオシャレな星新一のショートショートがぴったり。後味の毒気も、塩ラーメンには合いますね。5分で1作読めるので待ち時間にはぴったりです。

    激辛担々麺なら

    傾いた世界

    激辛担々麺には、激辛な毒気たっぷりの筒井康隆の短編集はどうでしょうか?平山夢明を唸らせる、猛毒小説に激辛担々麺の辛さが薄れること間違いなし。濃密な10分間をご堪能ください。

    二朗系ラーメンなら

    百年の孤独

    ボリューミーな二朗系ラーメンにはボリューミーな百年の孤独を。少女が空を飛び、赤ん坊に豚のしっぽが生える世界観に待ち時間を忘れることうけあい。小説に夢中のあなたは、ラーメンのことも忘れて小説を読み耽ることでしょう。奔流する活字の濁流に呑み込まれてください。

    いかがでしたでしょうか?ラーメンの待ち時間という虚無の時間にぴったりの小説をセレクトしてみました。ラーメンの行列は小説を読んで、頭もお腹もいっぱいにしてください。