みなさんにはオールタイムベストと言えるような好きな映画はありますか。僕にもあります。長らく僕の中での映画のオールタイムベストは「ショーシャンクの空に」でした。恐らくこのオールタイムベストが更新されることはないだろうと思っていました。しかし、そのオールタイムベストが更新される日がやってきました。それが「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(長い)通称エブエブです。僕はこの映画が大好きで、毎年1回は観ています。今回は何が僕のツボにはまったのかエブエブの魅力を語りたいと思います。

愛の詰まった闇鍋
エブエブの魅力は一言で言うと愛の詰まった闇鍋です。エブエブのジャンルを言うと「SF×カンフー×コメディ×ホームドラマ×ラブロマンス×移民ドラマ」です。掛け算がめちゃくちゃ多い。全部が混じりあってカオスな映画になっています。しかし、それでいてこの映画で語られるのは家族への愛というシンプルなテーマ。ハチャメチャなのに王道。それがこの映画の魅力です。
闇鍋的なカオスの世界
エブエブの基幹をなす設定は、今流行りのマルチバースの世界観です。世界は一つだけではなく、今選んだ世界とは別の世界線があり、世界は並行世界として分岐していく・・・。マルチバースで有名なマーベルシリーズや、最近では松たか子主演でヒットしたファーストキス1stkissなんかもマルチバースを扱っています。並行世界と言われても今ではたいして新味がありませんが、この映画はその量と飛躍の仕方が桁違い。人類の手がソーセージになった世界線なんていう、ぶっ飛んだ並行世界まであります。それらの世界が複雑に混じり合い、展開していく。そりゃカオスになるわな、って感じです。さきほど説明した通り、エブエブはあらゆるジャンルが混じり合いごった煮状態になっています。
言ってしまえば闇鍋です。次、何が出てくるか分からない。人によったら何言ってるか分からないシュールな展開も多々あります。
唯一無二の世界観
エブエブに似た映画を僕は観たことがありません。ふつうどんな映画でもうっすら既視感のある展開があるものですが、この映画はほとんどない。いわゆる映画のセオリーを無視して描かかれていている感じがします。
SFっぽいんだけど、別のマルチバースに跳ぶ方法がバカバカしいことをすることだったり、ちょっとふざけてるような世界観なんです。
この映画の監督であるダニエル・クワンは映画学校に通っていたそうですが、学校に行ってからクワンの作品が面白くなくなったと感じた母が学校に行くのを辞めさせたそうです。今にすれば母の慧眼に驚かされますね。おそらく母はクワン監督の誰にも似てないオリジナルティーを信じたのでしょう。
描かれるのは王道の家族愛
それでいてこの映画が伝えるのはストレートな家族への愛。カオスなギャグパートから想像できないくらいにキレイに家族ドラマに着地します。最後、主人公が敵となった娘に使うのは拳ではなく、ハグ。最後は暴力ではなく、愛が世界を救う。おそらく数多くの映画が何万回も伝えたメッセージを衒いもなく、表現します。最初はバカバカしい世界観に笑っていたのに、いつのまにか涙腺が緩んでいるという、不思議な体験ができるのです。
カオスなのに王道。唯一無二なのに普遍的。相反する2つの要素が奇跡的に混じり合っているのがエブエブの魅力なのです。このバカげた設定の脚本でアカデミー賞を席巻したのも頷けます。興味が湧いたら一度見てみて下さい。人を選ぶ作品ではありますが、ツボに嵌ればきっと感動体験ができると思います。























